『思いを形にする』
シビックテック × オープンデータ
齋藤 仁志(さいとう ひとし)
愛知県一宮市在住
シビックテックの面白さを広めたい!デジタル庁「デジタル推進委員」。行政とシビックテックの"二刀流"エンジニアです。オープンデータをフル活用しています。デジタルから世界を変えられるか?
皆さんはオープンデータをご存知ですか?僕のシビックテックの活動はオープンデータから成り立っています。商用・非商用を問わず、自由に2次利用(加工・再配布)できるデータをオープンデータと言います。国や自治体の公共データや民間が公開しているデータもあります。
普段は行政の仕事をする傍ら、ライフワークにて「シビックテック」の活動をするという ”二刀流” で暮らしています。一見大変にみえるかもしれませんが、本業とプライベートでのスイッチの切り替えが入り、僕にとって心地よい毎日を送っています。
皆さんはシビックテック(CivicTech)をご存知ですか?市民(Civic)が自らデジタルの技術(Tech)を用いて、地域課題を解決していく取り組みのことです。日本では、東日本大震災後、Code for Japanという団体が誕生したことがきっかけで、シビックテックの活動が増えています。
僕のシビックテックの活動は「アプリ開発」と「可視化」をベースにしています。地域課題の直接的なアプローチや問題提議を行い、様々な地域課題を解決していき、最終的にSDGs目標達成を目指していこう!というものです。
加速する少子化。国を存続させていくためには、次の世代の子どもたちを育てていくことが必要です。子育て世代が住みやすい街にすることが求められています。
一宮市内の公共施設の赤ちゃんの駅や乳幼児対応トイレをマップにしたものです。子育て世代の方々が、過ごしやすい毎日を送れるように...という思いから作りました。赤ちゃんがすくすくと育ちますように...
出典:厚生労働白書2022、厚生労働省のデータを加工・編集して作成
2022年の合計特殊出生率は、1.26でした。日本では、少子化が急速に進んでいます。
次の世代の子どもたちを育てていきたいです。具体的には、プログラミングやARなどのデジタル技術の普及、基礎学力の定着です。
富士山の3Dビューを作成しました。国の基盤地図情報を用いて、壮大な地形を立体的に表現しました。学術研究や地理教育にもご利用いただき、富士山の美しさと重要性を新たな視点で探求する手助けになればと思っています。
ホログラムは、光の回折を利用した実体映像です。そこには何もないのですが、あたかも存在しているかのように綺麗な映像を浮かび上がらせます。理科の実験などに、ご利用ください。
世界の国々の首都や国旗、半島、山脈などをデジタル地球儀に載せてみました。日本が世界を基準に見ると何処に位置するのか、世界の国旗はどんなイメージなのか、など、地理教育などでご活用ください。
このブログは、自分に合った勉強法や自己啓発を探している人へ向けた「ヒント」を与えられたら、と思い始めました。学生の方、親御さん、そして、社会人の方にもお読みいただけたら本望です。
魚偏の漢字はいくつあるか、知っていますか?答えは、678種類あります。このアプリはその魚偏を集めてみよう!というプロジェクトです。
徳川15代将軍をアプリにまとめました。歴史教育にご利用ください!
江戸時代、鎖国文化の中で広がったものの一つに和算があります。日本独自の文化ですが、その計算力とみるや、海外と引けを取らないことを知りました。文献から学んで、アプリケーションという形に仕上げました。
出典:18歳意識調査「第46回 国や社会に対する意識」のデータを加工・編集して作成
日本財団が実施する「18歳意識調査」では「将来の夢を持っている」「自分の行動で、国や社会を変えられると思う」統計が共にワーストという結果になりました。子供たちには自分の可能性を信じて欲しいと思っています。思いが届くように行動で示していきます!
生き物たちは食物連鎖の中で生きています。人類のみが、その連鎖から一線を引いています。生き物の多様性について、テックで出来ることを考えていきます。
このデータベースは、日本で絶滅の危機に瀕している生き物たちの一覧です。絶滅危惧種の保護と維持を考えるきっかけになれば幸いです。
古代に生息していたマンモス。今は絶滅してしまい、見ることはできませんが、3Dなら復元できるということで、復活させてみました。DNAは生き物から生き物へと受け継がれていきます。思いを馳せてみませんか?
世界には有名な観光スポットが多くあります。日本も有名な観光スポット、そして語り継いでいきたい文化遺産があります。観光立国のPRをテックで行っていきます。
日本のさくら名所100選をマップにしました。桜を巡る旅に出かけましょう。春は、桜の美しさと日本の文化に触れる絶好の機会です。美しい桜の花が咲き誇る場所を巡り、日本の春を満喫しましょう。
地域の歴史的魅力や特色を通じて文化庁が認定する「日本遺産」をマップにしました。世界に向けて発信することで、地域の活性化のお役に立てられれば光栄です。日本の魅力を語り継いでいきたいものです。
日本全国にある道の駅をマップにしました。地域の色が出る道の駅、様々な物産やお土産が販売されています。あなたも旅行のついでに、立ち寄ってみては?
世界では紛争が絶えません。テックで何か出来ないだろうかと思い立ち、海外の情勢(治安、紛争、災害など)がどうなっているのか、外務省の海外安全情報オープンデータを用いて開発しました。
地球温暖化と言われ続けています。生き物が生活する上で「炭素」は欠かせません。学生時代から「自分に出来ることは?」を問い続けてきました。形にしていきます。
このサービスは、環境省が導入している暑さ指数をマップに可視化するアプリケーションです。日本の暑さはもはや災害です。暑さのリスクを事前に把握することで、体調管理にも役立ちます。日常生活の暑さ対策にお役立てください。(毎年、4月下旬〜10月下旬まで運用)
気象庁のAMEDAS降水量をスクレイピングという技術で取得し、Deck glのhexagonレイヤーを用いて可視化するアプリケーションです。ゲリラ豪雨など、水と人々の暮らしも考える時代になりました。現在の降水量を調べたい時に役に立ちます。
出典:国立研究開発法人 国立環境研究所
国立研究開発法人国立環境研究所、東京大学、東京工業大学などの研究チームは気候変動による「影響の連鎖」の可視化に成功し、学術誌「Earth's Future」に掲載されています。
国では「アドレス・ベース・レジストリ」の取り組みが始まっています。基盤情報のオープンデータ化により個人でも取り扱いが容易になりました。取り組みを加速させていきます。
都市空間の3Dマップは、驚くほど詳細で、建物、公園、交通インフラが鮮明に表示されています。ユーザーフレンドリーなナビゲーションと共に、街の魅力が一目で分かります。VR、ARでの活用を考えていきます。
日本全国のダムの情報を可視化しました。ダムの形式、使用目的、貯水量など、必要な情報を余すとこなく盛り込みました。
日本の川は細く長いのが特徴です。山から流れ出した流れは、どこかの海、海岸にたどり着きます。いかに川が多いかを表現するため、日本の各都道府県を川だけで描いてみました。人間にとって、欠かせない水の有難さ。心に感じてもらえれば幸いです。
自動車大国の日本。交通事故も大変多くなっています。少しでも減らすために、テックで出来ることを考えていきます。
警察庁が公開しているオープンデータを用いて、交通事故発生件数を3Dに可視化しました。年間30万件以上の事故が発生しています。この可視化を通して、件数が少しでも減ることを願っています。
世界でも有数の災害大国と言われる日本。東海地震や首都直下地震など、今後起きる可能性が言われています。今から出来ることを始めていきましょう。
アプリ開発をしていく上で、一番初めに作ったアプリです。東日本大震災の経験から、家族、友人との安否確認に役立つツールを作れないか?という発想から開発しました。
僕が開発した中でのメインアプリは、この防災INSIGHTです。学習機能から避難場所、気象情報、ハザードマップまで、防災に関する情報を全て詰め込みました。多くの方々にご利用頂けるよう、普及活動に努めていきます。
防災に関する考察サービスです。災害データ可視化や防災図解を通して、防災に必要なものは何か?どのように次世代に語り継いでいくのかを考えていきます。
いつでもどこでも防災の情報提供やアドバイスを行うチャットボットアプリです。防災に関する知識、災害経験談、地震時の避難行動の仕方など、防災に関する様々な情報を教えてくれます。安心・安全で快適な生活を実現するための頼もしいパートナーとなります。
僕が開発するアプリケーションは「WEBアプリ」です。ウェブサイトと間違われることが多いのですが、PWAの技術を用いて、アプリケーション化することが可能です。これからもWEBアプリの開発を続けていきます。
ウイルス、細菌との生存競争も昔から言われていました。彼らも生き残るために必死です。共生か競争か、人類がいる限り、終わることがない戦いと思っています。
2020年、新型コロナウイルスの感染が世界中に広がりました。刻一刻と変わるウイルスの感染状況に対し、感染者数などの絶対数だけではなく、感染の流れを「動態」という形で、ウイルスの特徴などを探れないかと思い、開発しました。(運用終了)
javascriptの分子モデル表示「jsmol」を使って、インフルエンザの分子モデルを表示してみました。分子軌道、カーボン表示など、自由に表現を変更できます。今後の分子シミュレーションにて利用できればと思っています。
GoogleのAIライブラリ「MediaPipe」を使ってみました。Handでは、カメラから手を認識してくれます。カメラを通して手を認識すると、関節の骨組みが表示されます。スポーツ・医療現場での利用を考えていきます。
デジタルの業界では、オープンソースという言葉が言われて久しいです。自分だけが使うプログラムではなく、他の方々にも自由に...という発想のもと、僕も公開していきます。
jQueryを使わずに、モーダルウィンドウを表示するAPIを作成してみました。WEBアプリの開発の中で、モーダルウィンドウはよく使う機能でした。せっかくなので、オープンソース化しよう!と思ったのが、きっかけです。
データベースのGUIで、テーブルやリストをHTMLに表示させることは数多くあると思います。数が多くなればなるほど、データの中から探すことが難しくなるため、キーワード検索が必要になってきます。ネットでJavaScriptのAPIをいくつか見つけたのですが、自分の中でしっくりくるものがなかったため、開発しました。
マップに何を載せるのか?防災、観光、交通、経済、防犯...etc。使い方次第で、いかようにでも変化するのがWEBマップの魅力です。Googleフォームで投稿した情報をWEBマップにリアルタイムで反映させるオープンソースを開発しました。
避難所の混雑状況を色分けでマッピングできるオープンソースです。Googleスプレッドシートと連携させることで、シートが更新されるとマップも自動更新されます。
Code for JapanのSlackに参加するなど、他のエンジニアの方々とも交流し、切磋琢磨しています。僕が関わったプロジェクト、参加したイベントをご紹介します。
一般社団法人イトナブ石巻 Penさんのトイレマッププロジェクト。石巻市内の多目的トイレの情報をデジタルに可視化し、Web化することで、事前に多目的トイレの情報を知ることができる「みんなのトイレマップ」というサイトの開発です。このプロジェクトでは、leafletを用いたマッピングの技術提供をさせていただきました。
ポッドキャスト文化からシビックテックの入り口を広げたいという思いから、シビックテックに関する取り組みや気になるニュースを雑談形式でお届けする井戸端キャストにご招待いただきました。僕の普段のシビックテックの活動や始めたきっかけなどをお話しました。
Code for NagoyaのOpenDataDayに参加しました。今回のテーマは「オープンデータに未来はあるか?」ということで、登壇させていただきました。僕のシビックテックの活動はオープンデータ無くして語れませんので、普段のアプリ開発にどのようにオープンデータを活用しているのかを重点的に講演させていただきました。